ポイント

  • 先日、米国のVC(ベンチャーキャピタリスト)と話をしていると、彼がこんなことを言っていた。
  • 「米国の起業は技術先行型が意外に多いが、日本の起業家はアイデア先行型が比較的多いように思う。」
  • 素晴らしいアイデアがひらめきました。という中学生の彼の質問に回答する形を借りて、今回はアイデアだけに偏り過ぎる起業家の弱点を考察する。
  • 今回もいつものように長い。
  • 10分はあなたの貴重な時間を奪うことになる。9697文字もある。
  • オナニーを済ませた後の暇な時にでも読んでほしい。

     


 

 ■中学生A

 

 

別にこの中学生Aを子供呼ばわりするつもりは甚(はなは)だないのであるが、多くの中学生はビジネスの経験は極端に少ないのは事実であろう。

中学生がビジネスをおこなう場合はどうすればいいのか?

 

真剣に考えると面白い。

 

学校の先生に聞いても起業の仕方も資金調達の仕方も教えてくれない。

いわんや先生は、どこぞのリクルート出身の校長先生でもなければ、ビジネスの経験すらない場合がほとんどだ。

困ったことに、この国では金儲けのノウハウを学校、少なくとも義務教育では学ぶことができない。

すなわち、中学生Aは全ての知識を外部から入手しなければならない。

外部とは従来の生活圏以外の世界からである。

 

この点で注目することは、現在の〝彼の主張する画期的なアイデア〟は従来の生活圏からの視点で構成されているということだ。

 

人間は通常、生活していく上でおこなう全行為の80%にこだわりや興味を待たずに普段生活している。

カレーやラーメンにはこだわるが、毎日の三度の食事すべてにこだわる人は少ない。

 

つまり、残りの20%のこだわるほうから通常アイデアは発生する。

普段の生活圏の中の20%のこだわりが起業アイデアの源である。

 

実のところ、この中学生Aだけでなく、これはかなりの若い起業家に言えることだ。

起業家は現在ある脳内のシミュレーションでアイデアを考え、脳外の知識を得て、そのアイデアを金になるものにしなければならない。

 

これは脳内の生活圏を飛躍的に広げるという、難しい脳外ブレークスルーを伴う。

当たり前だが、通常、脳内の生活圏は長い間の〝習慣〟の積算によって構築されている。

なので

知識のブレークスルーは、いまある自身の脳内習慣を否定しなければ得られない。

習慣と常識の否定は人間の行動の中でも最も難しい部類の成長(学び)である。

 

 

 

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オリジナリティの矛盾

 

 

独自性とは、他者とは違う〝個〟の違いにある。

オリジナリティの本質は、自身の体内にあることのほうが多い。

 

 起業家は元来、我がままで自分勝手な動物である。

他人の意見を恐れず、自分のポリシーに従って生きて行く生き物である。
故に、根本的ジャッジは己の内にある主観論に、その答えを求める傾向にある。
でなければ、トップではない。

 

一方で自分勝手が過ぎれば、〝集〟の組織を運営していくことは難しい。

組織はオリジナルを嫌う。

なので、トップは往々にして組織の力や株主や利害関係者といったステークホルダーの力を借りて、自制と理性によって自身のオリジナリティを押さえこむ努力をしている。

つまり、組織を必要としているのは、起業家(トップ)のほうである。

故(ゆえ)にスティーブ・ジョブスであればあるほど、法人という組織を必要とする。

 

起業家は 主観論という独自性を持たねば、イノベーションを起こすことはできない。

 トップの暴走こそがベンチャーにおいて成長のエンジンたりえる。

 

しかしながら

オリジナリティの本質は、そのオリジナリティを理解する枠組みがなければ独自性を発揮できない。

 

例えば、自身のウンコを部屋の壁に塗りつけ、庭の池にションベンを溜め、足の爪を長年集めて作ったテーブルと10年はき古したパンツを集めて作ったソファーを展示する斬新なモデルルームを開発し、売りだしても、それはシュールな芸術であるかもしれないが、きっと売れない。

 

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起業家の我がままを拒む二つの壁

 

 

起業家はオリジナリティを持っていなければ失敗する。

一方でそのオリジナリティを阻止する壁が二つ存在する。

 

組織と市場である。

 

多くの人間を率いていく場合、ビジョンと理念と目的は極めて重要な役割を担う。

ウンコを壁に塗る社長の運営する営利企業には人はついていかない。

〝多数〟を納得させるためには、多くの人間が納得する大義が必要となる。

多数なので大義であり、

たった一人を納得させるような場合・・・例えば恋愛であれば「君の事が好き。」と言えば事足りるので、そこに社会性のつけ込む必要は原則ない。

一夫多妻制や一婦多夫制の場合は、大義を必要とする。なので江戸時代の大奥には恋愛よりも大義が優先された。

 

起業組織論において大義やビジョンは多数を束ねる極めて重要なエレメントとなる。

 

一方で、全人類を幸せにするとか世界平和といったあまりに広義の目的と目標は多数の人々の利害と利益に影響を与える事柄ではあるが、上述した人の脳内の自分とは関係のないことという80%の領域を獲得するに過ぎない。

人々の労働意欲は、今日、20%を求める傾向にある。

 

第二は市場の壁がある。

 

市場とは主観論と客観論のごった煮であり、メルティングポットそのものである。

 

主観論市場は上述したこだわりの20%の世界であり、新しい顧客価値提案を求める傾向で、往々にして高価格帯でも許容する。

 

客観論市場は80%のこだわらない世界で、石鹸は別にミューズでなくてもかまわないというような人の世界である。往々にしてコモディティ化する傾向にあり、価格戦争に陥りやすい。

 

己の考えたオリジナルを市場の〝どこ〟に当てはめるかは極めて重要だが、それでも客観論の洗礼を受ける。

大ヒットとは主観論から始まり、客観論者を巻き込んで初めて達成される。

サザンオールスターズの大ヒット曲TUNAMIは、サザンのファンではない人も巻きこみ、多くの人がCDを買ったからサザン史上最高の売り上げを獲得した。

 

故に

 起業家は主観論で導き出した答え(事業)を市場という客観的な〝世間〟に導入する際、おのずと己の独自性と市場の社会性とをすり合わせなければならない。

 

野良犬は平気で道端でぶりぶりウンコをする。

それを、知らずに踏んだ人間は腹を立てる。

野良犬は人間の世界においては社会性ゼロだ。

社会性とは人々が喜ぶことであり、大多数が大事にしたいことだ。

 

起業家が優れた事業アイデアを閃いた際、注意すべきは、その優れたアイデアをいかに組織と市場という客観性を含有する壁に対して〝すり合わせて行くか〟にそのアイデアの成否はかかっていると言える。

起業家の閃きは主観の中にあり、一方で事業の成功と継続は客観論という社会性の中に大部分は存在する。


この矛盾をすり合わせることが、起業家というトップの主たる任務である。
この〝すり合わせ〟という平凡な日々の反復作業の土台の上にこそ、極めて新規性の高いイノベーションは、世間から日の芽をあてられる。

 

 

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優れたアイデアほど実現には金がかかる


新規性が高ければ高いほど、オリジナリティが高ければ高いほど、アイデアが優れていれば優れているほど、
〝世間の客観性にいかにすり合わせるか?〟は極めて大事な作業となる。

 

世界で自分以外、誰も考え出せないようなアイデアを思いついた場合、そのアイデアをみんなに理解させるコストは半端ではない。

知らせるだけでも相当な費用を要する。

世界70億人中、君一人しか理解していないことを他の69億99999999人に伝えるコストを計算すればいい。

 

あまりに斬新な前衛的な試みに比較的拒否反応を示す業界もある。

例えば、飲食業である。

昔、有名日本人シェフで、何かの大会で土を使った料理を考え出した者がいたが、誰も日常において土を食いたいとは思わない。

ほとんどの人は身体に入るものであるから、世間の常識から10歩も先を行ったような食物は拒否する。

 土を食うという発想は斬新だが、ビジネスとしては成立しにくい。

 

なので

飲食においての芸術とビジネスとしてのギリギリ成立しうる境界線は、エルブジのフェラン・アドリアかピエールガニエールとなる。

それを飛び越えれば、認知以前の〝それは食物であるか〟という問題となる。

 

アイデアは優れていれば優れているほど世間一般に認知させるコストは比例して高くなる。

コペルニクスが地動説を唱えても、ニュートンが出てくるまで、ほとんどの人間は信じなかった。
あなたのアイデアがコペルニクス的イノベーションならば、ニュートンも必要だということだ。

凄まじく突き抜けたアイデアの場合、そのアイデアを人々の常識にまで認知させる作業において、〝認知作業〟におけるニュートン級の天才も必要となるということだ。

もしくは、iPS細胞とノーベル賞といった事例のように、社会の権威のお墨付きが必要となる。

80年代に大ヒットしたティラミスは、デニーズがスィートとして採用して大ヒットした。

 

ちなみに
ビジネスで最も成功しやすいのはコペルニクスの地動説ではなくコロンブスの卵である。

 

 

 

 

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 ■特許の意味


 

煙草のJTはつい最近まで専売公社と言われてた。

今でも、私を含めた一般人は勝手に煙草を作って売れない。塩もつい最近まで似たようなものだった。

 

「それはオレの専売特許だよ。」

なんて話すことがあるように、大昔(中世)では、国王がある一定物の販売や作る権利を一部の商人や人物に独占的に扱わせていた。

それは専売と呼ばれ、国王が特許状というものを与えることでおこなっていたらしい。

ほとんどは、恩恵や報償といった国の発展に貢献したものに与えられていたらしいが、いかんせん、国王の恣意的、つまり気持ち次第だったので、日本で言えば時代劇の

「越後屋、おぬしも悪よのう・・・へぇへぇへぇ」みたいなことも、一方で相当あったのだろう。

そのうち、優れた発明と新規の事業のみに限って、一定期間、排他的支配権を与える。というモノに変わっていった。

最初は14年間だったらしい。今では、特許権の存続期間は米国でも20年になっている。

 

特許の本質は、発明者の優れた発明を広く世間に広げるために生まれた。

なので特許の英語読みのパテントは、ラテン語の〝公開〟を意味している。


特許がない時代には、発明者は発明を隠す傾向にあったのだ。
それでは広く社会の為にならないと人類は考え、20年ぐらいは発明者の権利を守る変わりに世間に偉大なる発明をバラしてくださいとやったのだ。


発明はひた隠しのほうが儲かるのかもしれない。コカコーラはその製法の特許を収得していない。
レシピは特許を取れないという以前に、特許にすれば世間にレシピがバレるからである。
こっちのリスクをコカコーラは取った。

反対に

見事にこの特許の本質が花開いたのは、ジェームズ・ワットの蒸気機関やアークライトの水車紡績機などであろう。

特許法は、これらの発明を促し、イギリスは産業革命を成し遂げられたとされている。

 

 実は私もいくつか特許を持っている。

若いころいくつか取った。

飲食に関するもの及びバイオ関連やIT関連であるが、周辺特許も含めいくつか持っている。

細かく内容を書くと逆算して私のプロフィールが割れるので書かない(笑)

特許は公開情報だからな。

困ったことに、これらの特許は、今まで私に1円すら直接的金銭的恩恵をもたらしていない。

1円にもならなかったが、正確にはビジネスの役には立ったと思っている。

競合相手に、私の持つ特許に関して、又はその周辺技術に対して、開発を断念又は遅延させる役に立った。

 

特許を取るには弁理士との相談が必要である。

私の場合は、週に1回ぐらい、2~3時間ぐらい話し合いの時間があり。最後をまとめるまでは半年以上はかかった。

一件の特許についてである。複数且つ周辺特許も含めると数年かかる。

 

弁理士との話し合いのほとんどは、私の考えたアイデアや技術を特許庁が特許と認めてくれるように〝翻訳〟してもらう作業がほとんどだった。

弁護士に普通に書いた陳述書を裁判用に書き直してもううのと同様、特許を取るためにはそれなりの書き方がある。あるいは、特許として見てもらうための論拠というか根拠が必要となる。

この機能が、これに、こう作用し、こういう便利な効用が発生するのです。と論理的に説明しなければならない。しかも、特許独特の言い回しというか、説明が必要となる。

金と時間がかかったのを覚えている。

 

 

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ビジネスモデル特許

 

90年~00年代にビジネスモデル特許というのが流行った。

アマゾンのワンクリック特許なんてのが有名だ。

私もやっきになってネット関連のビジネスモデル特許を出願したがほとんど取れなかった。

日本では、ビジネスモデル特許は取れないほうが多い。

米国の政治的問題で当時はネット関連特許は先行したが、本来特許は、なんらかの機能を有し、その機能によって優れた効果や作用が発生する〝技術〟でなければならない。

IT技術を使った〝理論〟ではいけない。

ビジネスモデル特許は理論に極めて近い。

理論では特許は取れない。

 

同様にレシピやデザインも特許ではない。

ちなみに、洋服等のデザインとなると著作権すらない。

よって、パリコレやミラノコレクションの洋服をコピーする量販店や109のアパレル業者は似たようなデザインをパクっても誰も著作権違反で訴えられるようなことはない。

だから、一方で商標権である〝ブランド〟が極めて重要になっている。

このような業界では商標権のほうが重要となる。

 

同じように、他人のレシピを盗むことを全く悪気なくおこなう飲食業界も、同様にいくら全く同じ料理を出しても〝味〟においては誰も罰せられない。

なので秘伝の味や一子相伝の味は、ひた隠しにする。

少し前に餅の切り込みで越後製菓とサトウ食品工業が特許で訴訟争いをしたのは記憶に新しいだろう。

あれは、切り餅が〝きれいに焼ける技術〟であったので訴訟になった。レシピや味ではない。

 

 

 

 

 

 

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オープンソース開発のメリット

 

今日、オープンソースという開発の概念がある。
秘密やアイデアをひた隠しにするより、オープンにして広く一般に自身のアイデアに批評や助言やアドバイスをもらい、自身のアイデアを順次、改変、改造していく手法だ。


私はどちらかと言うとこちらを投資したベンチャーに奨励している。
創業まもないベンチャーが優秀なエンジニアを雇うには経験が必要だ。費用もかかる。
それに、アイデアを商品化するには結構な開発費もかかる。


更に苦労して開発できたとしても、それを広めるには宣伝費が膨大にかかる。
そして売っていく営業マンが必要で、メンテナンスやアフタフォローをする部署も必要だ。


それら、研究開発やマーケティングやコールセンターや人材募集といった〝商品を持続的に売っていく為に会社がしなければならないこと〟の部署は比較的高コスト構造だ。

しかし、オープンソースで開発すれば、多くの人がボランティアとして、無料でこれらの事をやってくれ、サポートまでしてくれる。

あなたの商品を給料をもらわずに宣伝すらしてくれる人も現れてくれる。


これは市場に商品やサービスを出す以前の極めて効果的なマーケティングでもある。

 

アイデア先行型の起業家は、オープンソース型の開発を真剣に検討して見ることをお勧めする。

 

アイデアをまとめる。

アイデアを形にする。試作品を作る。

使用できる実務レベルにする。

人さまからお金を取れる〝商品〟レベルにする。

競合に勝てる品質と機能を有し、維持し、さらに改善できる良品レベルにする。

 

といった商品開発の各フェーズが、一人でアイデアを盗まれないようにと、ひた隠しに自室にこもって時間と労力とコストを莫大に賭ける開発よりも、オープンソースにするだけで格段にスピードが増すはずだ。

アイデアを盗まれる心配よりも、アイデアが実現できないほうが現実は多いのだ。

実現できない理由は、上述したことを全て一人でやろうとするからである。

 

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ビジネスは天下一武道会ではない

 

ビジネスの勝ち方は多くある。
各企業でそれは違う。
人・モノ・金・情報などのどこに経営資源を重点的に置くかは文字通りその会社の闘い方となる。
昔の光通信のように営業に資源の大半を費やす会社もあれば、アップルのように生産の大部分を中国に委託しているがデザインに関してはいまだに米国にその拠点を置くという会社もある。
資金力で勝負する者もいれば、アイデア勝負の会社もある。

週刊少年ジャンプの漫画のように必ず、前に倒したやつより単純に強い奴が出て来てくれれば事は簡単だが、ビジネスの世界はそうもいかない。努力と友情と仲間愛だけで勝てる世界ではない。


ビジネスでの競合相手は、前とは違う強さであり、単純に前の闘ったヤツの延長線上的強さではない。
もしも、あなたの会社がアイデアがずば抜けてよければ、競合他社は価格や人材や立地で勝負してくるかもしれない。
私ならばCEOが中学生とわかれば、その弱点を徹底的に叩く。

つまり、経験のなさだ。


ビジネスの敵は複雑怪奇で多面的3Dの喧嘩を仕掛けてくる。

ドラゴンボールではフリ―ザより、セルが、セルより魔人ブーのほうがスカウタ―では強いが、ビジネスの現場では、従来のスカウタ―では測れない奴が出てくる。

そもそも、闘いの意味を変えてしまう奴がでてくる。

人造人間18号を口説いた奴が勝ちというルールなら、魔人ブーではなく、勝者はクリリンだ。好きは強さではないのでスカウタ―では測れない。


ビジネスにおいて、閃きだけでは、他のモノサシ(ルール)で闘いを挑まれれば簡単に競争相手に市場を奪われる可能性を要する。
売上一位を倒す方法は、一位が成功したこととは違う方法である。


ビジネスは恋愛に近い。
イケメンが童貞ならSEXは巧いとは限らない。
恋愛において若いということは圧倒的有利さだが

経験しなければ絶対に得られない体感もあり、これを屈指するからオヤジは若い良い女を若者から平然と奪っていく。

 

 


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 ■競争の変遷

 

 

新しい市場が形成されると、市場はある一定の順番に従って発展を遂げて行く。

 

ステージ1

市場が形成された初期には、企業は商品の「機能」について競う。

顧客は、自身のニーズを満たしてくれる機能を有した商品やサービスを選ぶ。

やがて、機能競争が大方出尽くすと競争の基準は他に移る。

商品やサービスにそれ以上の機能が追加されても顧客はそれ以上の金額を払わなくなる。

 

ステージ2

顧客が新たに求めるのは「品質や信頼性」となる。

このステージでは、機能だけでは充分に顧客のニーズは満たせなくなり、原材料の調達や製造、顧客サポート、技術サポート、メンテナンス、アフターフォローといった業務プロセスの改善に企業は走るようになる。

品質保証と品質管理のステージだ。

 

ステージ3

やがて市場は更に発展し、業務プロセスの改善だけでは顧客のニーズに対応できなくなる。

競争の舞台は「利便性とカスタマイズ」の世界に移行する。

巨大スーパーに対するコンビニであり、DELL社がパソコンのカスタマイズで躍進したステージだ。

 

ステージ4

市場は大きく発展し、商品やサービスは広く顧客に知られるようになる。社会ではその商品やサービスが存在するのが当たり前の

ようになる。

このようなステージでは、競争は最後の基準に移行する。

「価格」である。そして商品はコモディティと呼ばれるような部類に入る。

 

 

上述したように競争の基準は、その市場のステージによって大きく変わる。

つまり、素晴らしいアイデアを考えた場合、そのアイデアを投入する市場のステージはどこなのか?を考え、闘い方を良く検討しなければならない。

 

 

 

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オリジナルを磨く

 

オリジナルのアイデアは、優れた独自性を持つが故に、往々にしていくつかの欠点や盲点を併せ持つ。

 

逆に言えば、オリジナルだからこそエラーが発生する。


全く新しく開発されたソフトを市場に落とす際、実務レベルに耐えうる為に、やらねばならない大半はバグ取りである。


起業家のイノベーションを起こす現場が、アトム(実態社会)であり、例えば、飲食業であっても、それは変わらない。


新しいモノ(自身のうちにある新規のアイデア)を外部であるお客様に提供するのであるからこそバグ取りは必須である。

エラー修正をしないまま、自身の思うまま市場に閃いたアイデアを投入すれば、それは単なる我がままな価値観の押しつけになる可能性を秘めている。

まるで、誤字脱字が多く、修正しないままブログに平気でUPする私の文章のようなものだ。

「誤字も含めてオレらしいだろ。」

などと嘘ぶいているが、それでは金は取れない。

 

競争力のあるアイデア

 

とは如何に作るのであろうか?

 

モノ(金)になるアイデアや閃きとは、往々にして日々の〝トライ&エラー〟の中にそのほとんどが隠されている。


日々の試行錯誤の苦労の中にこそ新しい技術は生まれ、日々の反復作業の中で少しの新しさに挑む心の挑戦にこそ、まだ誰も見たこともない、考えたこともない、思いもつかない切り口を備えた素晴らしい商品やサービスのイノベーションの元は生まれる。
僅かな改善の一歩の積み重ねの中にこそ、新規の概念は発生源を隠し持つ。

 

特許を取れるような素晴らしい技術とは試行錯誤の中から生まれる。

アイデアは技術でないからといって、一瞬の閃きだけで良いはずはない。

費用のかからないアイデアだからこそ何度でも繰り返し脳内で、試行錯誤を繰り返す必要がある。

 

アイデアの練磨の方法の一部をここで教えておこう。

自身のアイデアが物凄く良いと思ったら、今現在、全く同じ、そのアイデアで他人が市場に参入した場合を想定し、自分ならこうやってそのアイデアを叩き潰す。と考えるようにしよう。
自分が自分のアイデアの競合者になり、自分だったら「更にこうやってそいつを越える!」と言う事を何度も考えることだ。
これで少しはアイデアは練磨される。
この試行錯誤を繰り返す癖をつけよう。

 

そして、アイデアを本物にするには、絶対にマーケティングは必要である。

つまり、このアイデアは「いかがでしょう?」と第三者に意見を求める必要がある。

これはアイデアを次の優れたアイデアのステージに上げるために必須なことだ。

また、人に話すことで更なる、まとまりのない閃きの欠片だったものが一つのまとまったビジネスプランになる場合は良くあることだ。

 

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転がしてなんぼ

 

私は学生時代、多くのビジネスのアイデアが生まれると、よくノートに、そのアイデアを書いていた。

大学時代だけで、そのアイデアノートは数十冊になった。

たまに今でも読み返す(笑)


今では当たり前だが漫画喫茶というものがある。

その原型を私は漫画喫茶などという言葉すらない時代に、そのビジネスモデルを詳細にノートに書いていた。

やっていれば大儲け出来たかもしれない(笑)残念ながらやってない。


ここ(知恵袋)でよく見かけるが自身のアイデアをひた隠しにする人は多い。

隠す事に少しのメリットは存在するかもしれないが、同時にあなたの優れたアイデアを支援してくれる人が、見つけるチャンスすら大幅に捨てていることにもなる可能性も秘めている。


ここで、アイデアをパクル奴など屁でも無い。ぐらいに思ってそれ以上のアドバイスをもらった方が正解だ。
いくらスポンサーだろうと投資家だろうと、内容は秘密です。とやられれば投資のしようがない。
アイデアの機密保持とビジネスの発展は表裏一体なのだ。
誰かに金科玉条のアイデアを盗まれたら、そのアイデアを越えるアイデアをまた考えればよい。

そこにアイデアの競争力はつく。

 

アイデアを金にしたければ、アイデアをモノにするアイデアを必要とする。

そのような脳内シミュレーションを繰り返し、第三者に実際に試し、客の反応を見て、そして改変し、改造し、そうやってアイデアを転がして行くことにおのずと他者が思いつかない新規性と競争性は事業(起業)という雪だるまに備わり、ビジネスは大きくなる。

 

 本物のオリジナリティあふれるアイデアとは一瞬の閃きではない。

閃きを重ねる〝日々の反復作業〟と〝アイデアの構造分析〟にある。

 

今、あなたの脳内にある、ほんの一瞬の閃きが、世に放たれた時、人類の歴史をも変える可能性がある。

だからこそ、原石(アイデア)は磨く必要がある。

 

 

フランスの小説家アンドレ・ジットの言葉

 

「非常に長い間、岸辺を見ない覚悟がなければ、新しい陸地は発見できない。」


 

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